ニーズの増加に伴い店舗数が増えており、大手グループからの出店もされているメンズエステ。
自分でメンズエステをイチから開業するよりも、フランチャイズに加盟した方が良いのでは？と考える方もいるでしょう。
この記事では、そんなメンズエステのフランチャイズについて詳しくお伝えします。
メンズエステ市場の現状とフランチャイズの特徴
近年、メンズエステは首都圏を中心に出店が相次いでいます。エリアによっては市場が飽和状態で、数年前のように開業してすぐ利益を出すことが困難となりました。
短期間で閉店してしまう店舗もあり、一説によると3年以内に70％が廃業するとも言われています。
また少し前のデータとなりますが、以下は経済産業省が発表した『エステティック業の概況』にて示されている都道府県別の事業所数です。
引用：経済産業省 Ⅱ．エステティック業の概況
上記はエステティック業全体を対象としたデータであるものの、事業所数は見ての通り都市部に集中しています。
特に人気のエリアでの新店舗経営は難しく、事業経験がないと集客も求人も信頼を得にくいと言えるでしょう。
新規参入の壁が高くなりつつメンズエステ市場で、昨今注目されているのがフランチャイズによる開業や経営です。フランチャイズとは、親会社となる企業が契約店に与える、営業権です。
フランチャイズに加盟すると、お店の看板や本部の経営ノウハウ、サービスの仕組みを使用する許可が得られます。
フランチャイズというと一般的に飲食店や小売店を想像される方もいるかと思いますが、メンズエステにも存在します。メンズエステのフランチャイズ開業・経営は、以下に当てはまる方が向いているでしょう。
- 独立願望はあるが一歩を踏み出せない
- メンズエステを経営しており最近売上が停滞している
- メンズエステの経営に興味はあるが業界経験がなく不安
メンズエステ経営ナビでは、メンズエステの集客・求人に強い広告媒体をご提案可能です。メンズエステだけに特化したサイトや、風俗業種との違いを意識した広告表現のご相談も承ります。
提供するサービス内容で大別されるメンズエステ
ここ数年で急速に市場が広がったメンズエステですが、そもそもどんなサービスを提供する業種であるかご存知ではない方もいるのではないでしょうか。
メンズエステは基本的に「一般メンズエステ」と「風俗エステ」に分類され、それぞれサービス内容と開業する際の届け出に違いがあります。
| 種類 | 一般 | 風俗 |
| サービス | リラクゼーション目的のトリートメント | 回春性感マッサージをはじめとする性的サービス |
| 届け出 | 税務署への開業届 | 風俗営業営業届出書 |
一般メンズエステは性的サービスがないため、開業するに際して風営法に関する届け出が不要です。店舗数がここ数年で急速に増えたのも、開業までの敷居が低いことが背景のひとつと言えるでしょう。
急増する一般メンズエステ市場はいまや新規参入がしづらく、フランチャイズを考える方は増えているのです。
メンズエステをフランチャイズで開業する5つのメリット
一般メンズエステをフランチャイズで開業する場合、主に以下のような5つのメリットが得られます。
1.知名度を活かした経営ができる 2.本部の経営ノウハウを取得できる 3.集客のサポートがある 4.セラピストのヘルプ出勤がある 5.オーナー同士の人脈を構築できる
1.知名度を活かした経営ができる
フランチャイズで開業すると、既存店の屋号を使用できます。ある程度知名度がある店舗は、無名の新規店に比べると断然集客がしやすいのです。
また「より利用しやすい場所にお店ができた」とグループの既存店のファンをそのまま取り込める可能性もあります。
集客に限らず求人面でも知名度を活かせます。というのも求職者である女性はお店選びをする際に給与システムだけでなく、集客力も見ているからです。
集客力の高いお店は、女性にとって“高収入を目指しやすい環境”を意味します。そのため知名度があるフランチャイズ店であれば「集客力が高いお店」とみなされ、応募につながりやすいのです。
2.本部の経営ノウハウを取得できる
本部の経営ノウハウを取得できるのも、フランチャイズに加盟するメリットの1つ。加盟店の利益が出なければ本部も儲からないため、惜しみなく経営のノウハウを教えてくれるでしょう。
もし事業経営の経験がなかったとしても、加盟することで経営に必要な基礎知識から応用まで学べますよ。
特に多数のメンズエステを出店しているグループは、成功と失敗のノウハウが豊富です。開店していかに早く利益を出せるかはもちろん、もし失敗したとしてもどう軌道修正すべきか導いてくれるでしょう。
3.ホームページ作成や広告など集客のサポートがある
一般メンズエステにおいて、ホームページは見込み客の利用を促す重要なツールです。
一方でホームページを作成するにはドメインの取得やデザイン設計、スマホ対応など多大な労力を要します。さらに運用も更新業務のほか、分析やWebに関する専門的な知識が必要です。
フランチャイズ店は本部がホームページの作成を代行してくれるケースが多く、上記の労力を削減可能です。
また中には予約管理システムをはじめとする各種経営ツールを提供してくれるフランチャイザーも。
さらに、広告掲載も本部からのサポートを受けられる場合があります。
集客を図る上で欠かせない広告ですが、掲載に際しては広告バナーを制作しなければなりません。その広告用バナーを作成してくれるフランチャイザーも存在するのです。
4.セラピストのヘルプ出勤がある
メンズエステの多くは自由出勤制という、セラピストの都合に合わせて出勤を組むシステムを採用しています。そのため、開店当初は出勤セラピストの確保に苦労することもあるでしょう。
セラピストの出勤確保は、メンズエステの経営で非常に大切なことと言えます。セラピストが出勤できていなければ、そもそも集客をすることは不可能だからです。
ユーザーに「このお店はいつ行ってもセラピストがいない」とみなされれば、他店に流れかねません。
そんな時でもフランチャイズ店は、出勤状況が安定するまで同グループ店のセラピストにヘルプ出勤を依頼できる場合があります。開業当初でも集客のチャンスを逃しにくくなるでしょう。
「即戦力のセラピストが欲しい」とお考えの方は、下記バナーから求人広告サイトをチェックしてみてください。
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5.フランチャイズオーナー同士の人脈を構築できる
複数店のフランチャイズを展開しているグループでは、自分以外とのフランチャイズオーナーと繋がることができます。
オーナー同士の交流によって、経営のヒントとなる有益な情報を得られる機会があるのです。オーナー同士のつながりが強いと、各店の成功例や失敗例も共有してもらえます。
「どんなイベントで集客を増やしたか」「どうやってセラピストの技術力を上達させたか」「求人募集を増やすにはどんなことをしたか」など貴重な情報が得られるでしょう。
また何かあった時、本部以外の支えとなり得るのもフランチャイズのオーナー同士。
特に開業当初はオーナー自身も不安が多いでしょう。フランチャイズオーナー同士のネットワークを駆使すれば、成功への道が見えてくるかもしれません。
メンズエステをフランチャイズで開業する3つのデメリット
フランチャイズ開業はメリットが大きいものの、その反面デメリットがあるのも事実。以降で解説するデメリットも踏まえ、加盟するか検討するのがベストです。
1.開業時に加盟金がかかる 2.毎月のロイヤリティがかかる 3.独自のコンセプトが打ち出せない場合も
1.開業時に約14万円（目安）の加盟金がかかる
フランチャイズに加盟すると、加盟金という初期費用が必要になります。加盟金とは、お店のブランドネーム使用や開業にかかわるサポートを受けるために本部（直営店）に支払う対価です。
加盟金は目安として約14万円を想定しておくのが良いでしょう。以下はフランチャイズ加盟店を募集しており、具体的な加盟金の額が公開されている主要なメンズエステ10店舗の比較です。
| 加盟金 | 店舗数 |
| ～10万円 | 7（うち5店舗は無料） |
| 11～50万円 | 2 |
| 51～80万円 | 1 |
10店舗における加盟金の平均は約14万円でした。
また上記からお店によって加盟金に大きな差が生まれていることも明らかです。 初期費用を抑えた開業を検討している場合、加盟金の額がひとつの判断基準となるでしょう。
2.毎月約11万円（目安）のロイヤリティがかかる
開業時にかかる加盟金以外にも、毎月本部に納める費用があります。それがロイヤリティです。ロイヤリティは本部によるサポートの対価に当たります。
ロイヤリティは、金額や体系がそれぞれ異なるのも特徴の一つです。とはいえ、ロイヤリティは毎月約11万円を目安に見積もると良いでしょう。
実はロイヤリティには、大きく分けて固定制と変動制という2つの体系があります。先述したメンズエステでも固定制は5店舗、変動制は5店舗と分かれます。
| 固定制 | 当月の売上高を問わず、毎月一定の金額を納める。 |
| 変動制 | 当月の売り上げに対して、何％か乗算した金額を毎月納める。 |
固定制のロイヤリティは毎月の支出が一定額であるため、自店の売上高を伸ばすほど手元に残る額は増えます。先の10店舗のうち、固定制である5店舗の金額内訳は以下のようになります。
| ロイヤリティ/月 | 店舗数 |
| 8万円 | 1 |
| 10万円 | 3 |
| 15万円 | 1 |
上記の平均は約11万円でした。
ロイヤリティが固定制だと何らかの原因で売上が立たなかった場合、固定費として支払いが生じ赤字になる可能性もあり得るでしょう。
それに対し変動制は毎月の売上に対して金額が変動するため、売上高が少ない月でも支出への直接的な影響は比較的少ないと言えます。
また売上×数％の値は、各店によって異なることも変動制の特徴です。具体的な金額は当事者間で守秘義務を締結後の提示となっているお店がほとんどで、基本的に公開されていません。
実際にフランチャイズを検討する際は、ロイヤリティの体系も確認しておきましょう。
3.独自のコンセプトを打ち出せない場合がある
フランチャイズの契約内容によっては、ブランドイメージ的にコンセプトの制限がある場合も。独自の「こんなイベントをしてはどうだろう？」といった提案が通らない可能性がある点を把握しておきましょう。
また、お店で使用するアイテムについても同様です。
例えば「このブランドのアロマオイルの方がよさそう」「指定のものよりも経費を抑えられるオイルを見つけた」と思っても、自社ブランド製品のみ使用可能という規定により希望する製品が使えないケースもあります。
フランチャイズ加盟店は、本部の方針に則って経営しなければなりません。制限によって自由に経営できない可能性があるものの、経営ノウハウを学べるため必ずしもデメリットとは言い切れないでしょう。
メンズエステをフランチャイズ開業するまでの流れ
メンズエステのフランチャイズ開業は、基本的に以下のような流れで進行します。
| ①お店を決める | どのお店に加盟するか決めます。 |
| ②問い合わせ | 加盟したいフランチャイザーにお問合せしましょう。 |
| ③面談・契約内容の確認 | 加盟予定のお店と面談をおこない、契約内容を確認します。 |
| ④物件決め・店舗視察・体験 | 物件を視察したり、他店舗で運営を体験したりします。 |
| ⑤フランチャイズ加盟の契約 | 加盟の契約を締結します。必要経費はこの時までに用意しておきましょう。 |
| ⑥開業準備・オープン | 開業準備を進め、オープンに臨みます。 |
フランチャイズ契約をする際は、加盟金の額やロイヤリティ、本部の経営方針などを確認しておくと良いでしょう。
ロイヤリティに関しては先述した通り、固定制なのか変動制なのかはもちろん、毎月の予定される支出を把握し、利益を生むためにはどれほど売上を立てなければならないか算出する必要があります。
またどのエリアに出店するかも重要なポイントです。事前に候補を決めてから面談に臨むと契約までスムーズに進みますよ。
メンズエステのフランチャイズ開業で必要な資金
「メンズエステをフランチャイズ開業しようと思うけど、資金はいくらぐらい必要なの？」
数多くある実店舗型ビジネスのなかでも開業資金を抑えやすいのが、メンズエステの魅力です。とはいえ、開業後の経営に備えて一定の運転資金も確保しておくべきでしょう。
ここからは開業資金と運営資金に分けて必要な資金について解説します。
開業資金の目安は約187万円
メンズエステの開業にかかる初期費用は、加盟金やお店の規模感、出店エリアにもよって大きな差がありますが、目安は約187万円です。その内訳は以下のようになります。
| 内訳 | 金額 |
| フランチャイズ加盟金 | 約14万円 |
| 物件契約の費用 | 120万円 |
| 備品・家具代 | 20万円 |
| 広告費 | 30万円 |
| HP制作費 | 3万円 |
| 合計 | 約187万円 |
なお物件契約の費用や広告費は、首都圏よりも地方都市の方が抑えられる傾向です。開業資金を抑えたい場合は、開業するエリアにも着目しましょう。
運用資金の目安は約162万円
フランチャイズのメンズエステ店は、本部から経営に係るサポートを受けられるのが魅力です。
ただし1か月程度の運転資金を準備して臨むのがおすすめ。余裕の持った経営ができ、何かあった時も安心ですよ。
運用資金の目安は約162万円。先述した通り、この162万円という金額は、一般的な毎月かかるコストの目安となります。以下はその内訳です。
| 内訳 | 金額 |
| ロイヤリティ | 約11万円 |
| 賃料 | 25万円 |
| 光熱費 | 3万円 |
| 備品代 | 3万円 |
| 広告費 | 10万円 |
| HP運用費 | 1万円 |
| 人件費 | 110万円 |
| 合計 | 約163万円 |
開業後の当初は上記のランニングコストを超える売上の確保が目標となるでしょう。
フランチャイズのメンズエステにおける売上と営業利益
主流である店舗型のメンズエステ店における売上は、立地やお店の規模感などによって差がありますが、生じる人件費の2倍程度が相場と考えると良いでしょう。
一般的にメンズエステ店の売上のうち約5割が人件費に相当するとされます。仮に人件費が110万円だった場合、月間の売上は220万円が目安です。
営業利益は以下のように売上からランニングコストを引いた額になるため、先述したモデルを例にすると月58万円ほどが期待できます。
| 売上 | 220万円 |
| ランニングコスト | 162万円 |
| 営業利益 | 58万円 |
仮に上記の営業利益を継続して生み出せた場合、約3か月で開業資金の目安である184万円は回収可能です。
営業利益の例から想定されるオーナーの年収
もし先のように営業利益58万円を維持できた場合、年間の利益は約700万円となります。
先述した例では毎月の営業利益が58万円でしたが、より集客が伸びて多くのリピーターが確保できると利益率も伸長するため、やり方次第では年収1,000万円も夢ではありません！
ただし昨今はスマホやインターネットの普及により、一般消費者はネットで情報収集をおこないます。それは総務省発表による令和2年度の「インターネット利用状況」を見れば明らかです。
引用：総務省ホームページ
ネットは店舗の比較が簡単にできます。それゆえに売上を伸ばすためには、見込み客に対するネットでのアプローチが欠かせません。
フランチャイズ加盟店は本部よりサポートを受けられるものの、より集客力を高めるにはオーナー自らが集客の術を考えるのが大切と言えます。
フランチャイズのメンズエステ経営で失敗を防ぐポイント
フランチャイズだからと言って、必ずしも成功する保証はありません。どうしたら失敗しにくい経営ができるか、簡潔にポイントをご紹介します。
- セラピスト集め
- セラピストの教育
- 立地選び
セラピスト集め
メンズエステ店においてセラピスト集めは運営の要のひとつ。
フランチャイズのメンズエステ店は本部より応援キャストを派遣してもらえる場合もありますが、安定した経営を続けるためには自店でのセラピスト集めが必須となります。
集める方法は様々ですが、ユーザーの多い求人媒体への広告掲載が定石です。働いてほしいセラピストに合った求人媒体を選べると求職者である女性とのミスマッチが起こりにくいので、媒体選びは慎重におこないましょう。
セラピストの教育
メンズエステでは、セラピストの容姿にこだわる男性客が多くいます。
とはいえリピートしてもらうには技術力も必要です。セラピストが十分な技術を身に付けられるように教育をおこなうことで、リピーターの確保が期待できます。
またメンズエステの多くは未経験者の募集も一般的で、技術面だけでなく接客面においても教育は必要です。
講習・研修が充実している環境を用意すると、求人募集で強い訴求ポイントともなり得るでしょう。セラピストとは別に女性講習員を確保するお店もありますよ。
立地選び
メンズエステは、フランチャイズに限らず立地選びが重要です。先述した通り、昨今は都心を中心に出店が相次ぎ、競争率が高いエリアが増えています。
そのため開業するにあたり、競合が少ないエリアかつ人通りの多いエリアを選ぶのが理想です。
具体的には博多でいう人参公園近辺を筆頭とする人気エリアだけに固執せず、利用者が多い駅から徒歩5分圏内のアクセスが良好な物件で出店するのが望ましいでしょう。
まとめ：メンズエステのフランチャイズ開業はメリットが多い
メンズエステを開業するにはある程度の資金が必要です。
フランチャイズの開業は加盟金が必要となるケースもありますが、後に本部の経営ノウハウを学べたりHP制作を一任できたりとメリットは多く挙げられます。
さらにメンズエステは出店数の急増に伴い新規参入が難しくなりつつありますが、フランチャイズは既存店のネームバリューを活かせるためチャレンジしやすいと言えるでしょう。
フランチャイズによる出店だけではなく、副業による開業も可能です。
いずれにしても「メンズエステの経営で成功したい」とお考えの方は、この記事を参考にフランチャイズ開業を視野に入れてみてくださいね。
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