メンズエステ業界にも繁忙期と閑散期が存在し、GWや年末年始などの大型連休があるシーズンが繁忙期、そのほかのシーズンが閑散期に該当します。
メンズエステの経営者は、自店舗の経営状況を加味しながら、繁忙期と閑散期に適した方針と対策を講じる必要があります。
無策のまま繫忙期や閑散期を過ごしてしまうと、売上の減少、顧客満足度の低下、セラピストの離職多発、そして経営難に陥ってしまう恐れも……。
そのような最悪の事態を防ぐためにも、繁忙期と閑散期に対する必要最低限の知識を身に付けておきましょう。
メンズエステ業界の繁忙期は大型連休シーズン
メンズエステ業界の繁忙期はGWやお盆、年末年始などの大型連休シーズンです。
- GWの4月後半~5月前半
- お盆や夏季休暇の7月~8月
- 年末年始休暇の12月~1月前半
なぜならメイン客層である20代~30代のサラリーマンは、この時期に長期休暇や賞与などが重なり、メンズエステの利用意欲が高まるためです。
繁忙期となる3つのシーズンについて詳しく解説します。
4月後半~5月前半
事業年度の開始月となる4月上旬は、辞令による異動や引継ぎ、新たな業務の開始などで何かと忙しいです。
その忙しさが落ち着いてくる4月末、丁度GWに差し掛かる4月末~5月前半はメンズエステの予約が増加傾向にあります。
特にGWは業種・職種・年度にもよりますが、場合によっては1年で最も長い休暇期間です。
時間の余裕ができたことによって、メンズエステで癒やされたいと考える男性は増えるでしょう。
また、GW特別キャンペーンといったイベントの働きかけによって、新規やリピーターの利用率が増える可能性も。
7月~8月
7月は夏季ボーナスが支給され、懐にも余裕が出てくる時期です。
また、8月中旬にはお盆休暇・夏季休暇を設けている企業も多く、サラリーマンは時間的な余裕が出てきます。
さらに7月~8月はイベントが少なく、天候にも恵まれ外出しやすいなど、メンズエステの利用に適した条件がそろっています。
お店によっては1年で1番の稼ぎ時となることもあるでしょう。
12月~1月前半
冬季ボーナスの支給がある企業に所属していれば、12月も6月・7月同様に懐に余裕が出る時期。
また、年末年始休暇の発生もメンズエステの利用を後押しする要因です。
忘年会や新年会などの流れでメンズエステの団体予約や個人予約の増加も期待できますね。
メンズエステ業界の閑散期はボーナス前後や決算期
メンズエステ業界には繁忙期がある一方で閑散期も存在します。
- 2月~3月
- 5月後半~6月
- 9月~11月
特にボーナス前後や決算期などは、忙しさや金銭的な余裕のなさからメンズエステ離れも起きやすい時期と言えるでしょう。
2月~3月
2月~3月は年末年始の出費、バレンタインや節分などのイベントの多さ、決算月などさまざまな利用からメンズエステの予約数減少が顕著に現れる月です。
中には決算処理や売上達成のための追い込み、新年度の準備などで残業が続き、時間や体力的な理由からメンズエステを利用する余裕がないという男性もいます。
仕事が休みの土日祝日も体力回復や家事に追われたり、寒さから出不精にもなりやすかったりする時期。
2月~3月は1年の中で最も売上が落ち込む月と言えるでしょう。
5月後半~6月
GWの出費やボーナス前の月ということもあり、5月から6月にかけては金銭の余裕のなさからメンズエステ離れが起きやすいです。
また、梅雨に差し掛かり足元の悪さも客足が遠のく原因のひとつ。
5月~6月はどのメンズエステも翌月からの繁忙期に向けての小休止期間となるでしょう。
9月~11月
8月が終わると徐々に予約数が落ち着き、何もしなければこの状態が11月頃まで続きます。
お盆や夏季休暇が明けて仕事が忙しくなっていくほか、企業によっては上半期と下半期の区切りとなる時期。
同時に過ごしやすい季節に入り、行楽シーズンに伴う外出や出費も起きやすいでしょう。
9月~11月は私生活や仕事の忙しさ、出費の発生などによりメンズエステの予約数が落ちる傾向にあります。
メンズエステ業界における繫忙期のメリット・デメリット
メンズエステを経営する立場からみて、繁忙期にはどのようなメリットとデメリットがあるのかを解説します。
繫忙期のメリット一覧
繁忙期を迎えることによって、メンズエステ店やその経営者は次のようなメリットを得られます。
- 売上の増加
- 新規やリピーターの獲得
- 新たなセラピストの獲得
- 評価や知名度の向上
- 新たなイベントやプロモーションの機会
- 資金獲得と再投資の機会
当然ではありますが、繁忙期にしっかりと客数を伸ばせればその分だけ売上も立ちます。
もし仮に閑散月に売上が目標を割ってしまったり、求人出稿や採用、備品の購入といった先行投資をしたりしても、繁忙月の貯金で苦しい時期を乗り越えることもできるでしょう。
上手くいけば多店舗展開も視野に入れられます。
また、繫忙期は今後リピーターになるかもしれない新たな顧客獲得見込みがあるシーズンです。
この大事な時期にしっかりとセラピストを揃え、教育をおこない、丁寧なサービスでお客様の満足度を上げることができればリピーターを獲得できます。
そのほか、客数が増えるタイミングを見計らってイベントやプロモーションを実施して効果検証をしたり、口コミ数増加によりさらなるお客様の獲得が見込めたり……。
繁忙期の行動や結果がその後の経営に大きな影響を及ぼすことは間違いないでしょう。
繫忙期のデメリット一覧
繁忙期はメリットだけではなくデメリットも存在します。
- 緊急対応の発生増加
- 従業員のストレス増加
- 予約や出勤管理の複雑化
- 顧客満足度低下を引き起こす恐れ
たとえば客数や予約数の増加に伴う緊急対応の発生です。お客様が増えればその分だけ、トラブルが起きる確率も引き上がります。
また、お客様の予約や従業員の出退勤管理、アメニティを含む備品の発注管理など、何かと目を配らなければいけないことが増えてきます。
予想以上に客数が伸びれば、その分だけ従業員は疲弊してストレスを抱えるでしょう。従業員が疲弊すれば、お客様へ満足いただくサービスを提供できなくなるかもしれません。
それらが積み重なり、お客様満足度の低下やマイナスな口コミの増加を招けば、経営難に陥る可能性もあります。
繫忙期を上手く乗り越えることができれば経営に大きな恩恵をもたらしますが……。
その一方で後手に回れば客足が減ってしまったり、経営を継続することが困難な状態を引き起してしまう可能性もあるのです。
メンズエステ業界における閑散期のメリット・デメリット
閑散期と聞くとデメリットしかないイメージが先行しがちですが、実は閑散期だからこそのメリットも存在します。
ここではメンズエステを経営する立場からみた、閑散期のメリットとデメリットを解説します。
閑散期のメリット一覧
閑散期だからこそ期待できる効果というものが存在します。
- サービスやプロモーションの見直しができる
- 従業員の休息を促しモチベーションアップが見込める
- セラピストの採用や育成に集中できる
- 丁寧なサービスにより顧客満足度の向上が見込める
閑散期は言ってしまえば時間に余裕のある時期です。
そのため、サービスやプロモーションを見直したり、繁忙期の疲れを癒やすために従業員の休息に当てたり、今後に向けてセラピストを採用したり。
サービスの向上や人員の獲得に向けて準備する時期に適しています。
また、繁忙期と比較してセラピストの1日の接客数に余裕が出る場合もあります。
余裕が出た時こそ、目の前のお客様に丁寧なサービスを提供するベストタイミングです。
この時期に利用してくださったお客様に満足のいくサービスを提供できれば、閑散期はもちろんのこと、繁忙期も支えてくれる重要な顧客を獲得できるかもしれません。
閑散期のデメリット一覧
閑散期のデメリット、経営に与える打撃は次のとおりです。
- 売上低下
- キャッシュフロー問題
- セラピストのモチベーション低下
当たり前のことですが、閑散期に入り客数が減るということは売上の減少を意味します。
もし繁忙期に経営を続けていく上で十分な売上を立てることができなければ、赤字・閉店・倒産といった問題が現実味を帯びてしまいます。
また、可能性のひとつとしてキャッシュフローの問題に直面する恐れもあるでしょう。
売上はあるものの手元に現金がないといったズレが生じてしまえば、支払いに影響する可能性もあります。
最後に、閑散期に突入し予約数が落ち込めば、出勤しているセラピストのモチベーションにマイナスな影響が出てきます。
出勤しているのに稼げないという状況は、セラピストにとって死活問題。最悪の場合、退店してセラピストが離れていってしまうかもしれません……。
メンズエステの経営層が繁忙期/閑散期を有効活用する方法
メンズエステを経営するにあたって、繁忙期と閑散期をどのように過ごすか、またどのように活用するかは極めて重要です。
ここからは経営層が繁忙期と閑散期に実施すべきことをご紹介いたします。
経営層が繁忙期にやるべきこと
繁忙期にメンズエステの経営層がやるべきことをリストアップしました。
【対象:お客様】
実施施策 | 効果 |
予約枠数の引き上げ | 予約数増加円 |
コース料金の値上げ | 売上増加 |
キャンペーンの実施 | 予約数・売上増加 |
新規客のリストアップ | リピーター獲得 |
【対象:セラピスト】
実施施策 | 効果 |
バック率引き上げ | モチベーションアップ |
出勤手当ての支給 | モチベーションアップ |
シフト回収の繰り上げ | 予約の取りこぼし防止 |
メンタルケア | 離職防止 |
対象はお客さまとセラピストです。両者に焦点を当てて、繁忙期の施策を実行していく必要があります。
特に繁忙期にご利用くださったお客様のリピート率は極めて重要な指標です。
繫忙期に来店したフリーを含む新規客の名前、利用日時、担当セラピストをしっかりリストアップし、シーズンごとに確認しながらリピート獲得率を追っていきましょう。
繁忙期は目の前の売上はもちろんのこと、未来の売上獲得にも目を向けてリピートの獲得を追っていくと売上のベースアップが狙えますよ。
経営層向けの閑散期対策・乗り切る方法
閑散期は言わば繁忙期に向けた準備期間。この時期だからこそ実施すべき施策は次のとおりです。
【対象:お客様】
実施施策 | 効果 |
サービスや料金の見直し | 予約数増加 |
キャンペーンの実施 | 予約数・売上の獲得 |
SNSやメルマガの発信 | 予約数・売上の獲得 |
満足度アンケートの実施 | 顧客満足度の向上 |
限定サービスの実施 | 顧客の興味関心を引く |
【対象:セラピスト】
実施施策 | 効果 |
求人の見直しと出稿 | 新たなセラピストの獲得加 |
技術研修の実施 | サービス向上 |
休暇の促し | 心身のリフレッシュ |
閑散期であっても営業努力は必要でしょう。
たとえば新規顧客獲得に向けた限定サービスの試験導入、あるいは初回限定割引キャンペーンや友達紹介キャンペーンの実施など。
また閑散期だからこそSNSの活用と分析に時間をかけたいところです。
求めているターゲットに合致した投稿内容や投稿時間、画像やハッシュタグなど、どういった投稿が効果的か分析してみると良いでしょう。
そして、既存のセラピストの技術力の向上を促す研修の実施やダイヤの原石の発掘に向けた求人の出稿など。
閑散期とは言えやるべきことは山積みです。
セラピストが繁忙期/閑散期を有効活用する方法
繁忙期と閑散期を乗り越えるには、メンズエステの経営層だけの努力では不十分です。
上手く経営を軌道に乗せていくにはセラピストの協力も必要不可欠。
ここからはメンズエステの経営者がセラピストに繁忙期と閑散期に協力を仰ぐべきポイントをご紹介します。
セラピストが繫忙期に意識したいこと
メンズエステの経営者は、繁忙期に次のようなことをセラピストに伝えていきましょう。
- 繫忙期の前に宣材写真の更新を済ませておく
- 可能な限りシフトを増やして出勤枠を長めに取る
- 忙しくても普段通り丁寧な接客を心掛ける
セラピストの宣材写真は予約を左右する重要なポイント。もしこの宣材写真が古いようであればセラピストに時間を作ってもらい新しいものを用意しましょう。
合わせてセラピストに写メ日記やSNSを積極的に投稿するよう伝えていきましょうね。
また、繁忙期期間中は可能な限りロング出勤をセラピストに促していくべきです。営業時間に対して、セラピストやルームに空白の時間が出てしまうと機会損失を招くからです。
最後に、忙しくても普段通り丁寧な接客を心掛けるようセラピストを指導していきましょう。
セラピストが閑散期に指名を獲得する方法
閑散期にセラピストが意識すべきことや指名を獲得する方法は次のとおりです。
- 講習や美容など自分磨きをする
- SNSや写メ日記を更新して新規獲得を目指す
- お礼日記は可能な限り書いてリピートを促す
- ライトユーザーにも普段より気持ち丁寧に接客しておく
講習によるマッサージや接客などのスキル向上、ヘアスタイルやメイクなどの自分磨きによるレベルアップは欠かせません。
また、繁忙期だけではなく閑散期だからこそ、SNSや写メ日記の投稿は積極的におこなっていきたいところ。
最後に閑散期にご利用くださったお客様には、いつも以上に丁寧な接客を心掛け、少しでもリピーターに繋がるようにしていきましょう。
メンズエステの経営者はセラピストに対して、意識してほしいポイントを口酸っぱく伝えていくべきです。
また、経営層からの要望をセラピストが受け入れてくれるように、常日頃から密なコミュニケーションを築いて良好な人間関係を構築していきましょう。
まとめ:繁忙期・閑散期の過ごし方がメンズエステの経営を大きく左右する
メンズエステ業界にも繫忙期・閑散期が存在し、主に次のような期間は客数が増減します。
- 閑散期:2月、3月、6月、9月、10月
- 繁忙期:4月、5月、7月、8月、12月、1月
特徴としてはGWや年末年始などの大型連休があるシーズンはメンズエステ業界の繁忙期です。
繁忙期は売上の増加や新規・リピーターの獲得、知名度の向上などが期待できるため、十分に備えた上で繁忙期を迎えましょう!
一方で閑散期の過ごし方次第でその後のメンズエステの経営を左右することもありえます。
閑散期は繁忙期への準備期間と捉え、サービスや料金の見直し、キャンペーンの実施、求人原稿の出稿などの策を講じていきましょう。
メンズエステの経営者としては、繫忙期と閑散期に対応した動きが必要です。
経営状況を加味した上で適切と言える方針・施策を立てていきましょう!