メンズエステ業界で時おりニュースになっている、スカウトマンの逮捕事例。
スカウトを活用している店舗やセラピストも一定数いるだけに、「スカウトは違法なのか?」と気になっている方も多いでしょう。
そこで本記事では、スカウトの違法性について解説。読めばなぜスカウトで逮捕されているかが分かるはずです。
またスカウトを利用するメリットやデメリットもご紹介していますので、スカウトの導入や求人を検討しているメンズエステオーナーはぜひ参考にしてみてください。
メンズエステにおける「スカウト」とは?
メンズエステにおける「スカウト」とは、“女性をセラピストに勧誘する行為”や“スカウトマン”を指します。
店舗が求人のために自発的に行うこともありますが、基本的には第三者にスカウトを委任して行う場合が多いです。
不特定多数に発信する求人広告とは違い、女性個人に対して直接アプローチをする求人手法となります。
スカウトの手法は多岐にわたる
スカウトの手法は、多岐に渡ります。
SNSや出会い系アプリなどを使ってネット上で女性へコンタクトを取ったり、路上で直接声をかけたり。
また女性側からスカウトマンに連絡して求人を紹介してもらうこともあり、その場合はスカウトマンが条件の合致した店舗を紹介します。
近年ではスカウトの手軽さから、SNSをメインとして活動しているスカウトマンが多い傾向です。
SNSを求人に活用したいと考えているメンズエステ経営者の方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
雇用形態は主に3種類
メンズエステ業界におけるスカウトマンの雇用形態は、主に「社員」「アルバイト」「個人事業主」の3種類です。
メンズエステ店に所属しているスカウトマンは、社員・アルバイト雇用である場合がほとんど。店員と兼業しながらスカウト活動もしてセラピストの求人を担当します。
スカウト会社に所属しているスカウトマンの場合は、個人事業主として歩合制で働くのが一般的です。
無所属の場合は、個人で店舗と契約をしてスカウトを行い報酬を受け取ります。
給料は成果報酬型で永久バック制が基本
基本的にスカウトの報酬形態は、成果報酬型で永久バック制です。
スカウト経由で女性が採用された場合、該当のセラピストが退職するまで給料の10~15%程度が報酬としてスカウトマンに支払われます。
そのためスカウトマンは報酬を上げる目的で、できるだけ多くの女性により長く就業してもらうように務めるわけです。
もしセラピストが採用されなかったり退職してしまったりすると、報酬はなくなります。
こちらの記事ではメンズエステ店の従業員の給料の決め方を解説。セラピストや内勤スタッフの給料を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
メンズエステのスカウト行為は違法?
スカウト関連の逮捕事例が多いだけに、スカウト行為が違法なのか気になる方もいるでしょう。
本章ではスカウト行為の違法性について、店舗が処罰される可能性と合わせて解説します。
スカウト行為自体は違法ではない
結論として、健全なメンズエステ店であればスカウト行為事態は違法ではありません。
スカウトにより逮捕される事例の多くは紹介先が「AV」や「風俗」であり、職業安全法違反に該当することが主な理由です。
職業安全法の第六十三条では、有害な業務とする職業への紹介を禁止としています。
二 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集、募集情報等提供若しくは労働者の供給を行い、又はこれらに従事したとき。
引用:e-GOV 職業安定法 (第五章 罰則 第六十三条)
過去の事件の判例を見ると、AVや風俗は有害な業務とみなされ逮捕に至っています。
対して、性的サービスを提供しない健全なメンズエステ店が有害業務として解釈された判例はありません。
中にはメンズエステ店のスカウト行為で逮捕された事例もありますが、無許可で性的サービスを提供していたことによる風営法違法である場合がほとんど。
つまり健全な営業をしているメンズエステ店は有害な業務にあたらず、スカウトを活用するのは違法にならないというわけです。
スカウト行為により店舗が処罰される可能性はある
スカウト行為自体は違法ではないものの、スカウト行為が原因で店舗が処罰される可能性はあります。
なぜなら健全なメンズエステ店であれば職業安全法違反にはなりませんが、スカウトのやり方によっては迷惑防止条例違反となり得るからです。
迷惑防止条例とは、各都道府県などの自治体などが定めている公衆に対する迷惑行為を禁止する条例のこと。
自治体によって規制内容に差異はありますが、迷惑防止条例には公共の場所において業種を問わず執拗な勧誘行為を禁止する旨の規定があります。
そのため、路上で執拗と判断されるようなスカウトを行った場合は処罰対象となり、スカウト行為をさせた店舗経営者にも罰則が科せられる可能性も。
スカウトを活用する際は、やり方についても注意を払わなければなりません。
またこちらの記事では、摘発されるメンズエステ店の特徴や摘発を回避する方法などをまとめています。健全なメンズエステ経営の参考にしてみてください。
求人でスカウトを利用するメリット
スカウトをする際に一般的な、第三者のスカウトマンに依頼するケースのメリットをご紹介します。
他の求人方法にはないスカウトならではのメリットもあるため、求人手法を検討している方はぜひ確認してみてください。
高い求人効果や即効性が見込める場合がある
依頼するスカウトマンによっては、高い求人効果や即効性が見込めます。
優秀なスカウトマンの場合、一度仲介した女性がリピーターになりやすく繋がっている女性が多いです。
そのためすぐに求人を紹介できることから、スカウトマンに依頼したら即座に応募が発生する可能性もあります。
またリピーターはメンズエステ業に対して抵抗のない経験者となるので、未経験者へアプローチするより高い求人効果が見込めるでしょう。
質の高い人材を紹介してもらえる
質の高い人材を紹介してもらえるというのも、スカウトマンを利用するメリットでしょう。
スカウトマンは、女性の希望条件や雰囲気に合致している店舗を選んで紹介します。
そのため店舗側は、コンセプトに合った質の高い女性を採用できる可能性が高くなるというわけです。
就業意欲が高く店舗にマッチしている人材を紹介してもらえるから採用に繋がりやすく、求人に割くリソースが減らせるでしょう。
ただし、「手当たり次第に求人を紹介する」という考え方のスカウトマンもいるため注意が必要です。
入店後のフォローがあり定着や売上向上に期待できる
スカウトマンに依頼する最大のメリットは、セラピストが入店後も継続してフォローしてくれることです。
スカウトマンの報酬は歩合制で、紹介したセラピストの収入に比例します。
女性がより長く働いてより稼げるように、就業期間中は相談に応じたりアドバイスをしたりとケアするのも仕事です。
そのためスカウト経由で在籍しているセラピストは、定着や売上の向上に期待ができます。
ただしフォローの上手さは人によって違うので、全てのスカウトマンに当てはまるメリットというわけではありません。
定着・売上向上に繋がるようなフォローを期待するなら、実績とノウハウがある優良なスカウトマンを探す必要があるでしょう。
求人でスカウトを利用するデメリット
スカウトの活用にはメリットがある一方で、デメリットがあるのも事実。
本章では、第三者のスカウトマンに依頼した場合のデメリットをご紹介します。
スカウト経由のセラピストは利益率が低くなる
スカウト経由のセラピストは、他のセラピストと比べると利益率が低くなるのがデメリットです。
スカウトマンへの報酬は永久バック制が基本。スカウト経由で採用したセラピストが退職するまで、売上に応じて報酬を支払う義務が発生します。
つまりスカウト経由のセラピストは売上の一部がスカウトマンの報酬となるため、利益率が低くなると考えられるわけです。
経営者自身の収入も下がってしまうので、在籍がスカウト経由のセラピストばかりになってしまうのは避けた方が良いでしょう。
また利益率を見直して高収入を稼ぎたいと考えている方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
スカウトマンによる虚偽の条件伝達からトラブルに繋がるリスク
スカウトマンが伝えていた条件と実際の就業条件が違っていたことにより、トラブルに発展したという事例は少なくありません。
スカウトマンの中には、女性の就業を優先して虚偽の条件や都合の良い条件だけを伝えている人もいます。
そのため採用した後に、「聞いていた条件と違う」とお店側に訴えてくるセラピストがいるのも事実です。
そうなってしまうとセラピストはすぐに退職してしまうばかりか、最悪の場合は悪質なスカウトマンとの繋がりをネット上で発信されてしまう可能性もゼロではありません。
スカウトマンを活用するなら、不要なトラブルを招くリスクがあることは念頭に置いておきましょう。
スカウトマンと女性のトラブルによる退職の可能性
スカウト経由のセラピストは、スカウトマンとの関係が悪化すると退職してしまう可能性があるというのもデメリット。
前述したように、スカウトマンは女性が入店後もフォローを続けます。
仕事のサポートやケアなど必要に応じて連絡を取り合うため、基本的に就業中は関係が切れることはありません。
だからこそスカウトマンと女性の間でトラブルやいざこざが発生した場合、「スカウトマンとの関係を切りたい」と考えて退職するセラピストもいます。
下記は、セラピストがスカウトマンとの関係を切りたいと考える理由の例です。
- 対応が雑で態度が悪い
- レスポンスが遅い/連絡が取れない
- 私生活に干渉してくる
- 嘘をつかれた
店舗側に落ち度がなくても、スカウトマン次第でセラピストが退職してしまう可能性があるのはスカウトのデメリットでしょう。
セラピスト側のスカウトに対するイメージ
スカウトマンの逮捕事例が少なくないだけに、スカウトに対して良いイメージがないという人もいるでしょう。
そこで本章では、求人対象となる“セラピスト”のスカウトに対して抱いているイメージをご紹介します。
スカウトに対して否定的な女性は少なくない
スカウトに対して、否定的な女性は少なくありません。
事実ネット上では、スカウトを利用して失敗したという声が多く見られます。簡単にまとめると、以下の通りです。
- 性風俗店ばかり薦めてくる
- 違法店を紹介してくる
- 連絡がしつこい
- 急に連絡が取れなくなった
- 稼げない
- 退職を引き止められる など
もちろんスカウトマン次第ですが、自分の収入のために嘘をついたりしつこく連絡したりと強引なやり方も多いようです。
良いスカウトに出会えればメリットもある
否定的な意見が多い反面、良いスカウトに出会えればメリットがあるという肯定的な声もあります。
メリットを含む肯定的な声をまとめてみると、以下の通りです。
- 自分で求人を探す手間がかからない
- お店に就業条件を交渉してくれる
- 客数が多くて稼げるお店を紹介してくれた
- 親身になって話を聞いてくれた など
スカウトマンがセラピストに合った求人を紹介してくれるので、自分で探す手間がかからないというのは求職者にとっては大きなメリットでしょう。
また、セラピストに親身になってくれる点も評価されています。
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なぜなら求人においてスカウトを活用するメリットは、依頼したスカウトマン次第だからです。
必ずしも優良なスカウトマンに依頼できるとは限らないし、悪質なスカウトマンに依頼してしまった際はデメリットがあるのも事実。
最悪の場合は、スカウトマンが条例違反をしたことで店舗まで処罰されるというリスクもあります。
つまりスカウトを活用して成功するかどうかは優良なスカウトマンに依頼できるかにかかっており、賭けのようなものです。
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まとめ:スカウトは違法ではないがリスクがある
たびたびスカウトマンの逮捕事例がニュースになりますが、スカウト自体は違法ではありません。
メンズエステ店において、スカウトを活用して求人をすることは可能です。
ただし本記事で解説したように、やり方によっては条例違反となり店舗も処罰される可能性はあります。
またスカウトによる求人の成否はスカウトマン次第であり、場合によってはお店に悪影響を及ぼすことも念頭に置いておかなければなりません。
加えてスカウトマン経由のセラピストは利益率が低いため、スカウトの活用は慎重に検討するようにしましょう。