低いコストで開業できるメンズエステは、経営者の間でも注目されている業種。しかし、メンズエステを開業したものの経営について頭を悩ませている方も少なくないでしょう。
そこでこの記事では、経営を成功させるコツや廃業させないための注意点を解説。また、実際に経営に成功したケースもいくつかご紹介しています。
なお、今回取り上げるのはヌキなしのエステサービスを提供する一般メンズエステ。
経営不振を解消するヒントを探している方だけでなく、開業して繁盛店をつくりたい方はぜひ参考にしてください。
メンズエステ経営におけるメリット・デメリット
開業のしやすさが魅力のメンズエステ経営ですが、もちろんデメリットもあります。
まずはメリットとデメリットをそれぞれご紹介。開業をお考えの方は、まずは経営するリスクも押さえておきましょう。
メリット:初期費用を抑えられる
メンズエステの初期費用は350~500万円ほど。経営形態にもよりますが、初期費用を100万円ほどに抑えて開業した方もいるようです。
また、経営者は施術に関する資格やスキルがなくてもよく、経営のスキルさえあれば低いコストでメンズエステを開業・経営できるのがメリット。
さらに、客単価が高いにも関わらずエリアによっては競合店が少ないため、ビジネスチャンスをものにできる業種と言えるでしょう。
デメリット:廃業率が高い
コストが低く開業しやすいメンズエステですが、経営がうまくいかず廃業してしまう経営者が多く存在しています。
1年でメンズエステが廃業する割合は60%。5人の経営者のうち3人が廃業するという計算になります。
一般的な個人事業主の1年目の廃業率は38%と言われており、比較してみてもメンズエステの廃業率の高さが分かります。
また、集客のハードルが高いのもデメリットのひとつです。
客単価が高くてもお客さんが入らないと収益に繋がらないメンズエステ。集客に繋げる方法を考えあぐねている経営者も多いでしょう。
メンズエステの経営を成功させたモデルケース
メンズエステ経営のメリット・デメリットを再認識したところで、ここからは実際にメンズエステ経営を成功させたモデルケースをいくつかご紹介します。
この成功ケースを見れば、自分のお店に足りないものに気付くはず。廃業の不安を抱える経営者は、ぜひ参考にしてください。
成功ケース1:駅から徒歩5分圏内の場所に出店した
経営者A:人気のエリアに固執せず、駅から徒歩5分圏内の場所にこだわり立地選定をした。
「メンズエステは人気エリアに出店すれば良い」という考え方だけで、立地選定を行った方はいらっしゃいませんか?
開業しやすいメンズエステは、近年人気エリアでは飽和状態になっています。そのため、激しい競争についていけず廃業してしまうお店が後を絶ちません。
経営者Aは「駅チカであること」に徹底的にこだわり、経営を成功させています。
人気エリアに出店したい気持ちは分かりますが、その周辺の駅チカエリアに大きなビジネスチャンスが眠っているかもしれません。
成功ケース2:とにかくお店のコンセプトにこだわった
経営者B:「高級」というお店のコンセプトにとにかくこだわり、全室家賃10万レベルの高級マンションを借りた。
運営費用をできるだけ抑えたいのが経営者の性。しかし、コンセプトから外れた部屋を借りてしまっては本末転倒です。
こちらは「高級」というコンセプトに沿ってこだわりのルームを構えた成功ケース。どこに予算をかけるべきかという判断力も経営していく上では重要なことが分かります。
また、近年メンズエステは「オフィス」や「スポーツジム」をはじめさまざまなコンセプト店が誕生しています。ルームにそこまで予算をかけられない方は、独自のコンセプト店を経営してみるのも良いでしょう。
成功ケース3:セラピストの為の環境作りを徹底した
経営者C:女性店長や女性講師を在籍させたり、生理用品を完備したり、セラピストが安心して働ける環境作りを徹底した。
お客さんが快適に過ごせる環境作りも大切ですが、セラピストが続けてくれるからこそビジネスが成り立つことを忘れてはいけません。
女性スタッフが在籍することによって、男性目線では気付かないような部分のサポートができるでしょう。
備品や設備を充実させてセラピストが安心して働ける環境を用意すれば、高い定着率にも繋がりますよ。
退店率が高いために経営が落ち込んできたお店は、一度お店の環境について考えてみてはいかがでしょうか?
成功ケース4:求人採用率を20%に設定した
経営者D:求人採用率を20%に設定して、セラピストの質を新人であろうと落とさないようにした。また、芸能プロダクションとの繋がりを活用しセラピストの採用を行った。
「セラピストは質より量が大切」とお考えの経営者もいらっしゃるかもしれません。しかし、セラピストの質はお客さんの満足度を左右し、経営するうえで避けては通れない問題のひとつです。
また、女性の質が高いとリピート利用にも繋がり、メンズエステ経営のデメリットである集客のハードルが一気に下がります。
そのため、セラピストをたくさん揃えることも大切ですが、質を落とさないことにも目を向けてみると良いでしょう。
ちなみに、こちらのお店は芸能プロダクションを活用して、売り上げに繋がる女性の獲得に成功しています。自力で質の良い女性を集められない場合は、人脈に頼るのも良策です。
成功ケース5:スタッフの電話対応の言葉遣いを徹底した
経営者E:スタッフの電話対応の言葉遣いを徹底した。また、希望の女の子をつけられない場合の代替提案にも力を入れた。
電話対応をはじめスタッフの教育に手が行き届いていますか?
お客さんはセラピストよりも先にスタッフとコンタクトを取るため、スタッフはお店の顔として対応する能力が必要です。
電話対応の言葉遣いが丁寧なことはもちろん、希望のセラピストをつけられない場合は納得のいく代替提案ができるかどうかも重要。
誠実な対応も新規顧客をリピーターに変えるためには必要不可欠です。スタッフひとりの電話対応がお店の評判を下げる原因になることは避けたいですね 。
メンズエステ経営を成功させるためのコツ
ここからは、メンズエステ経営の成功ケースも踏まえて、経営を成功させるコツを改めてまとめました。先ほどの項目と重複する箇所もありますが、廃業させないためにもしっかり押さえておきましょう。
また、開業前に経営のコツを知っておくことも大切。これから開業をお考えの方もご一読ください。
1.しっかりブランディングをする
ブランディングがしっかりできていなければ、経営の成功には繋がりません。
まずは「お客さんにとって、自分が経営するお店でしか得られないこと」を考えてみましょう。そうすると、価格の安さや過剰なサービスといったリスクを被らず、他店との違いを謳えるようになります。
また、コンセプトの一貫性もメンズエステ経営の肝。コンセプトを徹底的にこだわることで、お客さんにお店の良さを伝えられ、リピーターを獲得できるでしょう。
ターゲットやコンセプトに合ったメニューを用意することも大切ですよ。
2.設備や機材を充実させる
お店の設備や機材不足もお客さんやセラピストの満足度を下げ、経営不振を招きます。
メンズエステ経営に必要な設備や備品を見直したい方は、ぜひ下記記事を参考にしてみてください。
3.従業員の教育に力を入れる
成功するメンズエステの経営には、しっかりとしたマネジメント能力が必要です。
従業員をきちんと教育できると、スタッフの電話対応がクレームに繋がったり、スタッフの対応が原因でセラピストが退店したりすることが少なくなるはず。
また、一緒に成長していくには信頼関係が大切なので、些細な意見にも耳を傾けることを忘れてはいけません。アンケートや面談を実施して、従業員と向き合う機会を作るのも良いでしょう。
4.効果的に集客を行う
メンズエステ経営のデメリットとしても挙げた、集客のハードルの高さ。そのハードルをクリアするためには、効果的な集客手段を知ることが大切です。
初回割引クーポンを配布して新規客を獲得する施策を打ったり、セラピストの質を上げてリピーターを増やしたり、さまざまな手段があります。
また、有名どころの集客広告媒体に掲載するのも得策です。
メンズエステを経営する際の注意点
最近メンズエステの摘発店舗が急増していることはご存知だと思います。
経営が軌道にのったとしても、風営法違反で摘発されてしまっては水の泡。まずは、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)についておさらいしましょう。
一般メンズエステの経営には風営法の届出は必要ありませんが、性的サービスを提供する「風俗エステ」では届出が必須です。
“個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業”
出典:e-Govポータル
メンズエステはあくまでもエステサービスを提供するお店。経営のコツだけでなく開業のルールを理解した上で、運営しましょう。
まとめ:コツを押さえて経営すればメンズエステでも成功できる
今回は、メンズエステの経営を成功させるコツや廃業させないための注意点を解説いたしました。
集客のハードルが高いメンズエステですが、コンセプトにこだわることで価格を下げることなくリピーター獲得も可能。
また、成功ケースでもご紹介したように、セラピストの採用基準や環境を見直すと経営の立て直しを図ることができるでしょう。