誹謗中傷の影響で店の売上が落ちた…
掲示板への投稿で中傷されたセラピストが辞めたがっている…
このように、誹謗中傷でお悩みのメンズエステの経営者も多いでしょう。
実際に売上に影響が出ることもあり、業界全体で大きな問題となっています。
そこでこの記事では、メンズエステの効果的な誹謗中傷対策のほか、誹謗中傷が起きる原因や誹謗中傷を放置するリスクを解説します。
「開示請求のやり方」や「弁護士への依頼方法」も詳しく説明しているので、誹謗中傷で悩んでいる経営者の方はぜひじっくり読んでみてください。
メンズエステに対する誹謗中傷の実態
メンズエステに対する誹謗中傷は、掲示板や口コミサイト、SNSなどで実際に起きています。
お店やセラピストに大きな影響を与えているのも事実で、客足が落ちるといった事態に陥っているケースもあります。
ネット上の誹謗中傷は、プロバイダ責任制限法第5条に基づく情報開示請求により犯人を特定することが可能です。
書き込みの内容によっては、名誉毀損罪や業務妨害罪等の刑事上の犯罪が成立することもあります。
参考:ベリーベスト法律事務所|発信者情報開示請求とは
開示請求により犯人が特定され損害賠償を支払ったケースもありますが、損害賠償よりも情報開示や弁護士費用のほうが高く付くことが多いケースがほとんどです。
十分な資金がないという理由で、開示請求せずに泣き寝入りする経営者も少なくありません。
誹謗中傷によって起こり得る損害
店舗が誹謗中傷を受けると、その真偽を問わず以下のような損害が起こり得ます。
- 摘発のリスクが上がる
- 顧客離れに繋がる
- 求人面に悪影響が出る
- セラピストの勤務意欲が下がり人材流出に繋がる
それぞれ詳しく解説していきます。
摘発のリスクが上がる
セラピストによる抜きや本番といった誹謗中傷の内容によっては、真偽にかかわらず摘発対象になりやすくなるので注意が必要です。
なぜなら、警察は信憑性の有無にかかわらずSNSや掲示板で違法メンズエステの情報を収集しているからです。
お店が率先しておこなっていなかったとしても、情報の内容(抜きや本番など)によっては、違法行為目的の客層も増えることになるでしょう。
お店の治安が悪くなり、結果として摘発につながることも少なくありません。
顧客離れに繋がる
お店の質やセラピストの質が悪いなどと誹謗中傷をネットに書き込まれてしまうと、その書き込みを真に受けた常連客や見込み客が離れていってしまうかもしれません。
裏付けのない感情的な書き込みだったとしても、見た顧客にとっては本当かウソかの判断ができません。
結果的には店舗側のイメージが漠然と悪くなってしまい、集客に大きな問題が生じることも考えられます。
特に新規客が来ないと新人セラピストにつける客がいなくなり、顧客離れに加えてセラピストの離職にもつながる可能性すらあるのです。
求人面に悪影響が出る
集客面だけではなく、セラピストの求人面に悪影響が出る可能性も考えられます。
SNSや掲示板にお店の誹謗中傷が数多く見受けられたら、女の子は応募する気が失せてしまいます。
実は、メンズエステのセラピストで働こうと考えている女の子は、さまざまな情報を参考にしてお店選びをしています。
公式ホームページや求人ページだけではなく、SNSや掲示板をチェックする子も大勢いるため、掲示板の誹謗中傷を放置していると人手不足につながってしまう可能性が高いのです。
セラピストの勤務意欲が下がり人材流出に繋がる
誹謗中傷されたセラピストはやる気を失い辞めてしまうかも知れません。
誰もが閲覧できる場所で誹謗中傷をされてしまえば、勤務意欲が落ちたり退職したくなったりしても無理はないでしょう。
さらに誹謗中傷の対象ではない他のセラピストにも影響が出る可能性があります。
「〇〇ちゃんてネットに悪口書かれて辞めたらしいよ」「お店側で対策してもらえないんだ」と噂が広まり、お店で働く女の子全体の勤務意欲が削がれたり、お店を退店するきっかけになったりする恐れもあります。
誹謗中傷が行われる原因
なぜメンズエステやセラピストへの誹謗中傷がおこなわれるのでしょうか。
こちらでは、メンズエステ店やセラピストに対し誹謗中傷がおこなわれる3つの原因に迫ります。
同業者の妬みによる嫌がらせ
まず「他店舗からの嫌がらせ」や「自店舗内のセラピストによる嫌がらせ」で誹謗中傷されているパターンが考えられます。
他店舗からの嫌がらせとしては、繁盛しているお店に対する妬みが原因です。
繁盛しているライバル店のおかげで自分の店が儲からないなどの理由から、ライバル店の足を引っ張ろうとの嫌がらせ目的で誹謗中傷するのです。
また、同じお店に務める他の女の子の嫉妬心による嫌がらせで、誹謗中傷がおこなわれることも少なくありません。
指名や売上ランキング上位の女の子に対し、ランキング下位やランク外の女の子が嫉妬してあることないことをネット上に書いてしまうのです。
顧客の逆恨み・憂さ晴らし
過去に接客した顧客がセラピストやスタッフの対応に不満を持ち、逆恨み・憂さ晴らし目的で誹謗中傷をおこなうケースもあります。
中には自分の思い通りの接客をしてもらえなかった、連絡先を交換してもらえなかったなど自分勝手な理由もあるようです。
たとえばメンズエステで違法行為である抜きを要求し、断られたためネットに誹謗中傷を書くといった行為をする客も実際にいます。
このような客は事実を誇張して書き込んでいる可能性が高いため、内容を鵜吞みにしてセラピストに注意するのではなく、まずはセラピストに寄り添って冷静にヒアリングしましょう。
お気に入りのセラピストへの予約を減らしたいという顧客の心理によるもの
顧客が自身の推しているセラピストを独占したいといった気持ちから、そのセラピストの悪評をバラまくケースもあります。
いわゆる「オキニ隠し」と呼ばれる行為です。
実際に拙い接客をされたわけでもなく、ただ「他のお客さんに〇〇ちゃんを取られたくないという理由で悪口や誹謗中傷を書き込みます。
ダメなセラピストだと書けば、「自分以外に〇〇ちゃんを予約する人はいなくなるだろう」という身勝手な動機で誹謗中傷をしているのです。
好意から来ている行為ですが、書き込まれたセラピストにとってはたまったものではありません。
予約が減れば稼ぎにくくなり、お店を辞めるきっかけになることもあります。
誹謗中傷が書き込まれやすい場所
メンズエステの誹謗中傷が書き込まれやすい場所は、掲示板・口コミサイト・SNSの3つです。
一つずつ解説していきます。
掲示板
メンズエステの誹謗中傷が書き込まれやすい掲示板の代表は以下のとおりです。
- 5ch
- ホストラブ(ホスラブ)
どんな掲示板にも共通して言えるのが、匿名性の高さです。
自分が誰かを知られることなく投稿できるため、真偽不明情報も少なくありません。
会員登録も不要なので、気軽に投稿できるところも誹謗中傷が書き込まれやすい理由の1つです。
特にメンズエステの誹謗中傷が見受けられる掲示板は「5ch」「ホストラブ」です。
『5ch』は日本最大級の匿名掲示板であり、さまざまなテーマについて語られています。
ユーザーは興味のあるテーマに自由に投稿できるため、悪口や誹謗中傷、デマなどが書き込まれるケースがあります。
なお、エンズエステに関しては「心と身体」の「マッサージ等」に投稿されることが多いようです。
『ホストラブ』は主にホストクラブやキャバクラといった夜のお店に関連した情報を取り扱っている匿名掲示板サイトです。
お店ごとにスレッドが立てられており、ユーザーが好き勝手に投稿しているため、誹謗中傷が書き込まれやすい環境だと言えます。
口コミサイト
誹謗中傷が多く見受けられる口コミサイトの代表は以下のとおりです。
- 爆サイ
- 口コミ風俗情報局
口コミサイトは実際に利用した人が投稿しているとされているため、投稿の内容について信じてしまう人が少なくありません。
しかし、実際には利用していなかったり、単に悪口を言いたいだけだったりなど悪意のある投稿も多い傾向にあります。
『爆サイ』は、日本最大級の地域別掲示板サイトであり、地域別にトピックが存在し地域に密着した情報が提供されています。
匿名で会員登録も不要で投稿できるため、噂話や誹謗中傷も多くなりがちです。治安が悪く、炎上系の投稿も多く見受けられます。
『口コミ風俗情報局』はデリヘルやラブホテル、メンズエステなどの口コミを集めた情報サイトです。
会員でなければ口コミは投稿できませんが、会員になるのに必要なのはニックネーム・メールアドレス(フリーメール可)・パスワードのみです。
実際に真偽不明な情報も数多く見受けられます。
SNS
誹謗中傷が多発しているSNSには以下のものがあります。
- X
- YouTube
- TikTok
SNSの中には本名で登録している人が多いものもありますが、匿名性が高いものも少なくありません。
匿名で登録OKとなると、気持ちが大きくなりやすいのも事実です。
そのような過激な発言がしやすいといった環境も、メンズエステの誹謗中傷を生む下地となっています。
とくにメンズエステへの誹謗中傷が多くなりがちなSNSはXです。
幅広い層に利用されており、一人で複数のアカウントを持っている方もいます。
裏アカウントを利用し、深く考えず感情的に誹謗中傷する例も多いのです。
誹謗中傷のターゲットになりやすいセラピストの特徴
誹謗中傷の対象となるセラピストには一定の特徴があります。
こちらでは、ターゲットになりやすいセラピストの3つの特徴を解説します。
人気なセラピスト
接客人数が多く、注目を集めているセラピストは誹謗中傷のターゲットにされやすい傾向にあります。
指名ランキングや売上ランキングの上位に入っている女の子は同僚の女の子から妬まれることも多く、ネット上にあれこれ書かれてしまうのです。
また、「ほかの客に取られたくない」という心理からセラピストの人気を下げるためにお客さんが誹謗中傷を書き込むケースも少なくありません。
容姿が優れているセラピスト
美人であったり可愛かったり、スタイルが良かったりなど容姿が優れているセラピストは誹謗中傷を受けやすいです。
容姿が優れているとお店から推してもらえるため注目を集めやすく、ターゲットにもされやすくなってしまいます。
容姿が良いと当然ながら人気も高くなるのがメンズエステです。
前述のように、同僚の妬みやお客さんからの独占欲によってネット上に悪口を書き込まれるケースもあります。
また、本人がSNSをやっている場合「店には来ないけど写真目当てでフォローしてる層」からも注目を集めます。
そのような層は好き勝手なことを書き込みがちなのでお店側も注意しておくべきでしょう。
在籍年数が長いセラピスト
同じお店に長くいればいるほど、接客人数や知名度が上がりやすくなります。
そのため、在籍期間が短いセラピストに比べると誹謗中傷に遭う可能性が上がるのです。
また在籍年数が長ければその分多くの客を相手にするため、悪質な客に当たる可能性も高くなります。
サービスに不満を持った客が、悪意を持って書き込むケースも大いに考えられるでしょう。
効果的な誹謗中傷対策
メンズエステの効果的な誹謗中傷対策を4つご紹介します。
中にはすぐに出来るものもあるので、ぜひ実践してみてください。
お店の公式ホームページや掲載媒体ページに注意書きを行う
誹謗中傷を未然に防ぐために、お店の公式ページおよび掲載媒体ページに注意書きをおこないましょう。
誹謗中傷がおこなわれた際は発信者情報開示請求をし本人を特定します
誹謗中傷に対しては投稿者に対し損害賠償請求を実施します
以上のような文言を掲載し、中傷を思いとどまらせましょう。
すぐにでも出来る対策法であり、コストもかからないので早急に実施してみてください。
掲載媒体に削除依頼をする
掲示板や口コミサイト、SNSなどに掲載された誹謗中傷は、掲載媒体に削除依頼することで削除してもらえる可能性があります。
削除可能な投稿はプライバシー権の侵害や名誉棄損罪、著作権などであり、誹謗中傷は主に名誉毀損罪に該当するとされています。
参考:警察庁|インターネット上の誹謗中傷等への対応
削除を依頼する際は、誰がどのような権利を侵害されているのか問題点を指摘する必要があります。
たとえば、画像が無断で投稿されている場合は、肖像権の侵害として削除依頼が可能です。
また攻撃的な書き込みも名誉毀損に該当する可能性があるため削除依頼の対象となります。
なお掲示板や口コミサイト、SNSごとに削除依頼の方法が異なるので、事前に規約を確かめておきましょう。
弁護士に相談する
誹謗中傷した人の特定や損害賠償請求を考えているなら弁護士に相談しましょう。
弁護士に相談することで誹謗中傷に対しスムーズに対応できるため、不要なトラブルが避けられ、お店の評判が維持できます。
さらに、口コミの削除依頼も出してもらえます。
弁護士へ相談する際は、誹謗中傷に関する情報の提供が必要です。
投稿が消されてしまう前にスクリーンショットしておくのもおすすめです。
誹謗中傷に関する情報を提供すると、弁護士を通して掲示板やSNSなどに対し発信者情報開示請求をおこなえます。
開示請求は裁判所を通しておこなわれ、対象のネットサービスに対しログ提供や保存などの命令が出されます。
開示請求すると投稿者の氏名や住所・メールアドレスも開示されるため、あとは損害賠償請求するかを弁護士と決定していくことになるでしょう。
なお、ナイトワークに強い弁護士もおり、誹謗中傷を始めとした顧客とのさまざまなトラブルにも安心して任せられます。
さらにおすすめなのが顧問弁護士です。顧問弁護士がいればトラブルに即座に対応してもらえますし、女の子も安心しやすいため求人にも有利です。
発信者情報開示請求を行う
誹謗中傷の内容が悪質と判断できる場合は、開示請求をおこない本人を特定することで問題解決に繋がります。
さらに、開示請求をおこなったとの事実を公表することで、さらなる誹謗中傷の抑止にもなるでしょう。
発信者情報開示請求の手順は以下のとおりです。
参考:ベリーベスト法律事務所|発信者情報開示の手続きの流れ
発信者情報開示請求をする際は、証拠の保管から開始します。
掲示板等に投稿された誹謗中傷の内容や画像、日時やURLなどを保管してください。
次に裁判所に発信者情報開示命令の申立てをすると裁判所にて審理開始です。
裁判所が裁判所が掲示板などの管理者に対しIPアドレス提供命令、管理者とプロバイダに発信者情報の消去禁止命令を出します。
そして裁判所が管理者とプロバイダに発信者情報開示命令を出し、開示された情報をもとに被害者が法的措置を検討するという流れになります。
まとめ:メンズエステへの誹謗中傷対策を実践しお店を守ろう!
メンズエステへの誹謗中傷対策を4つご紹介しました。まずは、公式ページや掲載媒体に誹謗中傷に対する注意書きをおこない、お店やセラピストの今後の評判を守りましょう。
誹謗中傷の内容や影響によっては、弁護士と相談し掲載媒体への削除依頼や発信者情報開示請求を検討するのがおすすめです。
メンズエステを安定して経営していくためには、お店およびセラピストに対する誹謗中傷対策が欠かせません。
問題が生じた際にすぐに動けるように、弁護士との顧問契約も検討してみてはいかがでしょうか。