近年、男女双方の需要の高まりによって、店舗数が年々増え続けているメンズエステ。
ブームの波に乗って、新たにメンズエステの開業を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方にぜひ押さえてほしい点が、開業後の経営を左右するメンズエステのコンセプトです。
この記事では「コンセプトを決めるメリットは?」「コンセプトの決め方や注意点は?」といった疑問を解決します。
メンズエステの開業を検討中の方はもちろん、経営者も知っておいて損のない内容ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。
メンズエステのコンセプトとは?
メンズエステのコンセプトとは、店舗で提供するサービスやブランディングのベースとなる運営方針・構想を指す言葉です。
具体的には、店舗の内装や雰囲気、施術内容、採用するセラピスト、従業員共通の心得などへのこだわりとも言えるでしょう。
実例として「南国リゾートのような癒やし」「恋人気分を味わえる」「エキゾチックな大人美人の本格マッサージ」といったコンセプトが挙げられます。
このようなコンセプトは、競合店との差別化や店舗の独自性確立へつながる経営の主軸となります。
さらに、店舗の目指す方向性が定まっていれば、スタッフの意識統一がしやすく、サービスのクオリティ向上が望めるでしょう。
また、特定層の需要へダイレクトにアピールできるため、お客様の満足度や集客力が高まる効果も期待できます。
メンズエステのマーケティング戦略において、「コンセプトのある店づくり」は長期経営の面でも非常に有用なのです。
メンズエステでコンセプトを設けるメリット
究極的には、無理にコンセプトを決めなくともメンズエステの開業は可能です。
しかし、コンセプトの有無や内容は今後の経営にも影響する重要事項となります。
コンセプトを設けるメリットを3つ紹介するので、確認しておきましょう。
店舗設計がしやすくなる
コンセプトをあらかじめ決めておけば、店舗設計がしやすくなります。
お店の指針となる方向性が定まっていると、開業に必要なセラピスト、施術着、内装、施術内容、公式サイトのデザインなどを決めやすいのです。
例えば「南国リゾートのような癒やし」をコンセプトに設定した場合、より具体的なアイデアのイメージに役立ちます。
セラピストは雰囲気が明るい女性、施術着はパレオ風、内装は花や貝殻で南国感を演出、施術にはココナッツオイル使用など。
このようにコンセプトを設けていれば、それぞれの方向性が明確な分、スムーズに店舗づくりが進みますよ。
他店との差別化により競合優位性を獲得できる
他店との差別化も、メンズエステの経営において欠かせない要素です。
メンズエステ店は開業しやすい性質から店舗数が増えており、ユーザーを獲得できずに廃業してしまう店舗も少なくありません。
コンセプトが明確化できれば他店と差別化でき、店舗の独自性をもって競合優位性を獲得できます。
また、施術内容といったサービスのオリジナリティを示せば、ユーザーへの訴求力にも優れ、店舗の強みとして広告を打ちやすくなるでしょう。
実際にGoogle上では、特別なコンセプトを持つメンズエステ店のまとめ記事が見られます。
こういった根拠から、コンセプトを設けている店舗は需要があると判断できるのです。
集客や長期経営の面でも、コンセプトの設定は有効だと言えます。
リピーターの獲得率が高まる
リピーターの獲得率が高まる点もメリットのひとつspan>です。
明確なコンセプトを掲げると、ユーザーの期待するサービスと実際のサービスのミスマッチが起こりづらくなります。
さらに提供するサービスの価値がお客様の希望に合致すれば、リピート率や満足度の向上が見込めるでしょう。
コンセプトによって差別化し、他の店舗では得られない価値を提供することでユーザーが他店へ流れてしまうケースを防げるというわけです。
さらに熱心なお客様の口コミから新規顧客の獲得につながり、集客にも期待できます。
コンセプトの決め方
メンズエステ店のコンセプトの決め方を4つまとめました。
これらすべてを踏まえた店舗づくりがおすすめです。
企業理念に基づいて考える
メンズエステの開業では、企業理念に基づいてコンセプトを考えるとよいでしょう。
企業理念とは、店舗の基本となる考え方や業務姿勢、経営目的といった目指すべき目標を意味します。
理念とコンセプトが乖離していると、ブランディングがブレたり、セラピストやスタッフの方向性が定まらなかったりとデメリットが生じます。
明確な企業理念を土台にコンセプトを考えれば、店舗の軸はブレません。
一貫した方向性になり、従業員のモチベーションやサービスの質の向上にもつながりますよ。
ターゲットを明確にしてニーズに合わせる
ターゲットとなるお客様のイメージを明確にし、ニーズに合わせた店舗設計をしましょう。
まずはターゲットの年齢、性別、ライフスタイル、年収、趣向などを細かく設定します。
これはお客様によってメンズエステに求めるサービスや好みのセラピストなどが異なるからです。
コンセプト作成の序盤に利用者像を想定しておけば、店舗の雰囲気、メニュー、料金、採用するセラピストといった項目がスムーズに決まります。
ただし、社会情勢や市場環境、消費者需要の変化には注意が必要です。
メンズエステ開業後も定期的な市場調査やターゲットの見直しを行い、競争力を維持できるようにしましょう。
競合にはない独自性を設ける
競合店を調査し、他店にはない独自性のある強みを必ず設けておきましょう
。
近年、メンズエステは開業のしやすさから店舗数が増えており、競争は熾烈を極めています。
そのため、ほかのメンズエステにはない魅力をアピールすれば、競合店を出し抜けるのです。
さらにその強み自体がお客様にとってのメリットとなり、集客アップの効果が期待できます。
具体的には、独自の施術メニューや厳選採用したセラピストなど、お客様が店舗を選ぶ決定打になる強みをコンセプトに組み込むのがポイントですよ。
商圏外の人気店のコンセプトを参考にする
商圏外で既に成功している人気店のコンセプトを参考にするのもおすすめです。
基本的に既存店とコンセプトが被っていても、商圏外の店舗なら顧客の奪い合いにはなりません。
なぜならユーザーのほとんどが、居住地に近いメンズエステ店を利用しているパターンが多いからです。
旅行や出張に合わせてメンズエステを利用するお客様もいますが、前述したパターンと比べれば少数でしょう。
ただし商圏外であっても、あくまで参考に留めてください。丸パクリした場合は、トラブルに発展してしまう可能性も否定できません。
ビジネスモデルを参考にしたり、オリジナリティを加えたりして、あくまでもアイデアのタネとして活用するようにしましょう。
また複数の人気店やユーザーの評価をリサーチして、独自の強みと組み合わせたコンセプトの考案も効果的ですよ。
メンズエステでおすすめのコンセプト4選
メンズエステの中でも比較的人気傾向にあるコンセプトの系統をそれぞれ解説します。
実際のコンセプト例も紹介するので、参考にしたりアレンジしたりと活用してみてくださいね。
「大人の女性」をウリにしたコンセプト
「大人の女性」をウリにしたコンセプトは、はじめてのメンズエステ経営にもおすすめ。
なぜなら、メンズエステにおいて「大人の女性」は常に一定の需要があるからです。
基本的にメンズエステを利用するお客様は、日々のストレスや疲れを解消するため癒やしを求めています。
大人の女性は「若い女性と比べて落ち着いた雰囲気」「包容力がある」という特徴があり、メンズエステとの相性も良好。
さらに熟女が好みといった理由でセラピストを選ぶユーザーも少なくないため、大人の女性というコンセプトは人気が高いのです。
・厳選した大人美女セラピストならではの丁寧な接客 ・大人女子の癒やしで包み込む人生の休憩場 ・紳士の休息にふさわしい上品で落ち着いたセラピスト達
また、採用基準を満たす女性は歴の長いセラピストも比較的多い傾向にあります。
技術面や接客面でも優れた従業員を確保しやすい観点から、「大人の女性」はコンセプトの軸にしても遜色ないでしょう。
「非日常感」を提供するコンセプト
「非日常感」を提供できるようなコンセプトは、ユーザーへの高い訴求力があるでしょう。
普段お目にかかれない綺麗なセラピストや、特殊な施術着といった視覚的な癒やしを求めるお客様は少なくありません。
このような客層のニーズに着目し、「非日常感」をより強調したコンセプトも実際に多く見られます。
・スーツ姿のセラピストが取引先の女性社員を演出 ・会員限定の個室空間でセラピストと2人きりの時間を提供 ・個人に合わせて筋トレと癒やしを組み合わせたサービスを提供
日常では体験できないドキドキ感を味わえるのもメンズエステの醍醐味です。
非日常感を提供できるようなコンセプトを考えるのも、選択肢として念頭に入れておくとよいでしょう。
「セラピストの容姿」に焦点を当てたコンセプト
セラピストの容姿に焦点を当てたコンセプトは、サービスを受けるお客様にとって分かりやすい魅力です。
メ女性からマッサージを受けられるという体験は、メンズエステ最大の醍醐味と言っても過言ではないでしょう。
もし身体の機能改善や本格的な疲労回復を目的としている場合は、資格を持ったプロの在籍する整体や鍼灸院を利用します。
実際に単なる女性というだけでなく、好みの女性からマッサージを受けられるという付加価値を追求したコンセプトが散見されます。
・スレンダーで美意識の高い健康美女を厳選採用 ・家庭的なぽっちゃり女性を集めた専門店 ・身長や年齢の基準を設けて妹系の女性を採用
お客様によって好みのルックスは千差万別のため、特定のタイプのセラピストを集めた専門店はアピールしやすくなります。
セラピストの容姿を重視すると採用の手間はありますが、その分高い利益を見込めるコンセプトでもあるのです。
「素人感」を演出したコンセプト
セラピストの素人感を演出したコンセプトの店舗も非常に人気があります。
性風俗業界と同様に、メンズエステ業界においても素人系の需要は高めです。
実際に仕事感やプロ感のないウブっぽさを求め、新人を指名するメンズエステユーザーは一定数います。
そういったニーズを満たすため、セラピストの「素人感」を際立たせるようなコンセプトの店舗も多数あるのです。
・彼女風セラピストによるマッサージを堪能できる空間 ・素人っぽい女性が手がけるナチュラルな施術 ・コンカフェとメンエスと彼女感を合わせたラブコメ的癒やし
素人感をコンセプトの中心に据えると、店舗側は未経験者の女性まで幅広く採用活動を行えます。
経験の浅いセラピストを指名すれば利用者も手軽にサービスを受けられるため、集客への期待も高まるでしょう。
コンセプトを決める際に注意すべきこと
コンセプトの作成にあたって初心者が陥りがちな失敗が5つあります。
コンセプトを決める際の注意点をそれぞれ見ていきましょう。
コンセプトは開業の初期段階で決める
開業にあたっては、コンセプトを初期段階で決める必要があります。
なぜなら、ある程度店舗設計を進めた後や開業後にコンセプトを設けようと思っていても、内装やセラピストなどは簡単には変えられないからです。
方向性が安定しないと、売上の低迷や事業の頓挫に至ってしまうケースも十分考えられます。
一方、開業時からコンセプトを設けておけば、一貫したお店づくりができるため、独自性を突き詰めやすくなります。
コンセプトイメージを初期に練り上げて、経営方針上の理想となる店舗を作るようにしましょう。
価格をコンセプトにしない
価格をコンセプトにすると単なる価格競争になってしまうので要注意です。
価格一辺倒で競合と勝負してしまうと、売り込み方に幅がなくなり、次第に採算が取れなくなって破綻するかもしれません。
さらにはサービスの品質やスタッフのモチベーションが保てなくなる可能性も。
そのため、価格重視のコンセプトで経営するのは非常に難易度の高い選択と言えます。
付加価値のあるサービスや独自性を前面に押し出し、総合的な価値を俯瞰してコンセプトを考えるのがベターです。
包括的なコンセプトにしない
包括的で曖昧なコンセプトは競合に該当する可能性が高く、特筆できる独自性にはなりえません。
「どんなサービス内容かわかりにくい」「ほかの店舗でも良いだろう」という消費者思考から、客足が遠のく原因にもつながります。
まずはユーザーがひと目で理解できるわかりやすいコンセプトを考えましょう。
さらにユーザーニーズに沿った要素をいくつか組み合わせれば、独自性の高いコンセプトを作れますよ。
コンセプトを複雑にしない
手当たり次第に売れそうな要素を組み込んで、複雑なコンセプトになってしまう展開は避けるべきでしょう。
なぜなら、コンセプトを複雑にするとユーザーに店舗の強みが伝わりづらくなるからです。
さらにはコンセプトの一貫性を保てなくなり、ブランディングを阻害する原因にもなってしまうでしょう。
これを避けるには、さまざまなコンセプトを盛り込むのではなく、シンプルでお客様のニーズに応えられる強みを持たせると良いですよ。
顧客・スタッフへの周知を怠らない
コンセプトは設定して終わりではありません。
お客様やスタッフに自店の強みとして認識してもらう点が重要です。
まずお客様にコンセプトが伝わらなければブランディングにはつながりません。
さらに直接サービスを提供するセラピストがコンセプトを認識していなければ、行動指針が曖昧になりサービスの品質は落ちてしまうでしょう。
結果としてコンセプトの実現性が薄くなり、余計にお客様へ伝わらないスパイラルに陥ります。
周知不足を防ぐために、研修でセラピストやスタッフにコンセプトを共有しましょう。
また、公式サイト上や広告掲載などでコンセプトが伝わりやすいキャッチや文言の工夫も有効です。
まとめ:コンセプトをしっかり決めてから開業するのが重要
メンズエステの開業にあたって、コンセプトの設定は非常に重要です。
明確なコンセプトによって独自性を確保すると、競合店との差別化やリピーター獲得につながり、最終的な売上に影響します。
また、経営方針やサービスの内容、従業員の働く意識にも直結するため、より具体的な決定が望ましいでしょう。
店舗設計を進めていくと途中で変更できない要素も多いので、初期段階でのコンセプト決めが今後の経営を左右します。
メンズエステ店の開業を検討している方は、この記事で解説した内容を参考に明確なコンセプトを設定してみてください。